酒場街飲み路地裏探索

SPECIAL INTERVIEW
TOP特集記事 第1回 「立ち飲みの日」発起人 藤原氏インタビュー
“「立ち飲みの日」を制定した藤原氏が考える良い飲食店とは?”
「酒場立ち飲みバルバール」HPのインタビューの最初はやはり「立ち飲みの日」発起人である「藤原法仁」氏をおいて他にいないと思い早速お願いし、快くインタビューに応じていたただいた。藤原さんの経歴は京成立石で生まれ育ち、現在も住んでいる。本業は製造会社経営で毎日忙しい日々の中、時間のある限りいろいろな地域をまわり居酒屋を紹介している。氏が1998年から発信した下町の飲み屋を紹介するブログ「酔わせて下町」は現在ではあたり前になった飲食店紹介ブログのパイオニアといっても過言ではない。今回は「立ち飲みの日」を制定した経緯~イベント~飲み屋に対する思いなどを語っていただいた。ちなみに「立ち呑みの日」事務局長でありインタビュアーの南氏も京成立石出身。藤原氏とは飲み友達であり第1回目のイベントは両氏2人による手作りのイベントであった。まずは京成立石、立ち飲み「人生のスパイス」で飲みながらのインタビュー。
ちなみにこのお店は第1回目の「立ち呑みの日」イベントにお客として参加し、イベントにて提供側になりたいという事から立ち飲み屋をOPENしたお店。
立ち飲みの日を制定した経緯

―― お会いするの久しぶりですね。今年になって初じゃないですか?

本業が忙しくて以前のようには飲んでないんですよ~とは言っても飲んでない訳ではないので(笑)もともと飲みすぎですから、今が普通ですかねぇ(笑)

―― 早速ですが、知らない方もいると思いますので立ち飲みの日を制定した経緯からお話を聞きたいと思います。 どうして「立ち飲みの日」を制定したのでしょうか?

全然、高尚な気持ちはなく、浜田さん達(発起人の1人で有名居酒屋ライター)と飲んで話してたら、なんとか記念日とかあるから、それだったら「立ち飲み」記念日があっても面白いかもねって程度の話から始まったんですよ。でも記念日はどうやって制定するのか、費用はどの位かかるのかなんて、その時はまったく解らなかった。調べたら記念日協会っていうのがあって、誰でも申請すれば制定できるって解ったのでスグ申請。申請費用の7万円は自腹で払ったんです。
特に何をするとか考えてなかったんだけど、とりあえず制定みたいな軽いノリでしたね。

―― でも何もしないのに7万円払うって、さすが居酒屋ライターって感じじゃないですか?
当初からイベントとか考えてたんですか?

いえいえ、趣味のカメラを買ったり、車のタイヤ買ったりすればスグ使ってしまう金額。ましてやキャバクラなら4回で消費・・・なにも残らないじゃないですか?
それでも記念日は制定した事で家族に自慢したり友人との酒の肴になったりして、これは十分に価値はとれたと思う(笑)
2010年の8月に申請したんだけど、当初はイベントなんかも全然考えてなくて徐々に口コミで広がっていけば良いなぁ程度の考えだったんだけど、たまたま谷中の飲み屋で東京新聞のライターと偶然知り合って、「11月11日に立ち飲みの日を制定したんですよ」って話したら「面白そうだから取材させてください。」って話になって…、ま~そんな取材っていう堅苦しい感じじゃなくて近々飲み会があるから来て一緒に飲みましょうよってことから最初の記事になった。

11月11日を「立ち飲みの日」に!
11月11日を「立ち飲みの日」に!

―― 11月11日「立ち飲みの日」ってなんか響きますよね。
僕も最初藤原さんから記事見せられた時にインパクトあったもの。

8月8日と11月11日は記念日の銀座っていわれてる位いろんな記念日があるんですよ。ちなみに有名なポッキーの日、チーズの日、ライターの日とかね。ギネス記録なんかにからませても面白いね。
世界最強!!これも20歳若かったら世界最長立ち飲み記録に挑戦したいと思ってるんだよ~。1週間位ぶっとうしで立ち飲み、もし若手でチャレンジャーがいたらノウハウ教えたいですね。

―― ははは、挑戦者は事務局までお問い合わせください。藤原さんをご紹介いたしますね。

本当に応募してきたらどうするの?

―― う~ん・・・チャレンジして事故が起きたら大変だから個人の責任で行なっていただきましょう。

両氏ともグイグイと飲み続け、2軒目に移動。
僅か1時間程度でお2人とも4杯飲んでいい感じになってきた。
2軒目はちゃんと話を聞きたいので座席のある「おでんや」へここで初めて瓶ビールを注文。
「とりあえずビール」ではなく5杯目でビールというのが両氏らしい。

立ち飲み文化をもっと拡げたい

立石は仲見世が有名だけど、のんべい横丁の方が断然古くからやってるよね。こうゆう路地裏の店ってなんか雰囲気があって落ち着く。ここも立石の有名店だけど値段も安いし、料理も酒もホントレベルが高いですよね。あとマスターの雰囲気が良い。寡黙でコツコツと丁寧な仕事をしてウンチクも言わずに~まるで映画「居酒屋兆次」。おでんだけじゃなくて一品料理も全て美味しい。

―― 同感。でも一見で入ったらちょっと緊張するんじゃない?とても気さくな方なんだけど・・・僕も初めの頃はビビってた。数回通ううちに店の暗黙のルールっていうか、あうんが分ってきたかなぁ。
でも今でも緊張するよ(笑)さてさっきの話の続きなんだけど、なんで「立ち飲み」だったの?

単純に立ち飲み好きだったの。
居酒屋に入って4人掛けのテーブルに2人で座ってビール1本と御新香オーダーすると店側に気をつかうっていうか、イニシアチブ取られてしまった気がするのね。でも立ち飲みのカウンターだと気軽に頼めるし、これだけ飲んでスグ帰れる安心感もある。ま~スグ帰れる安心感から気持ち良くなって結果飲み過ぎちゃうんだけどね。
あと座り席だと他のテーブルにビール注ぎに行ったらおかしいじゃないですか?
その点、立ち飲みだと隣の人にちょっと話しかけたり、ツマミ1口どーぞとか気軽にコミュニケーションのきっかけが取り易いじゃない。
たとえばちょっと離れたところの人が京都の話したりするでしょ。僕も先日京都に行ったんですよなんて気軽に話しかけられる。やっぱり気軽さとコミュニケーションのよさかなぁ。大阪だと普通に立ち飲み文化がねずいているけど、東京はブームはあれどいまいちねずかない。立ち飲み屋で始めたのにイス置いちゃったりする店が多い。
なんか負けちゃってる気が(笑)して東京で広げたかったのが本音。

またしてもグイグイ飲み続け、緑茶ハイも飲み、またしても次に移動。
どうやら1軒に長居する気はないらしい。
聞くところによるとそれが粋な飲み方との事。
またしても店を替え3件目へ
ここは昨年できた女性2人でやっているカウンターバー「どらんち」
9時を過ぎるとカラオケが始まるが今夜は皆さん歓談中。
両氏は、ここで飲み物をウイスキーに替えまたしてもグビグビ。

「立ち飲みの日」初イベントへ・・・
「立ち飲みの日」初イベントへ・・・

3軒目あたりから酔いが深くなって酔ってない気になってくるのが 不思議。

―― やっぱり!!僕も3件目あたりから調子がでてくるんですよ。
緊張感がとけて脳の一部が麻痺してきている感じかなぁ。

制定から取材までは先ほど話したとおり。取材も受けたし、せっかくだから近しい人達で何かやろうかって話になって、都電を貸切~町を巡りながら、つり革につかまり酒を飲もうって案がでて、早速管理会社に問い合わせしたら、「飲酒禁止です」と言われあえなく座礁。

―― そこからは僕が~その頃ちょうど立石で5坪の立ち飲み屋を手がけた時で、新聞記事を持った藤原さんから「なんかいい企画ない?」って酔っ払って(笑)聞かれたんですよね。
9月にOPENしたばかりの店だったんで店の良い宣伝にもなるかも?って思い、引き受けたのがきっかけでした。今でこそ、函館バルの流れをくむ、街バルとか街コンなんかで店をチケットで廻るイベントが各地であるけど、実はまったく知らなかった。
単純にチケットで店舗を廻って客も店も喜んでもらおうって軽い企画。
タイトルも「立ち呑みの日」制定記念~日頃気になった店で一杯飲むきっかけづくりに~で2000円で4軒まわれる。お店にも負担一切なし。チケット半券1枚で500円戻して僕らの収益一切ナシ。デザインと管理は僕がやって監修とポスター、チケット刷り代は藤原さんが自腹でだした。ホント遊びだったよね。

あの1回目はホント面白かった。正直面倒くさいなぁという気持ちもあったんだけど(笑)終わってみたら、これで記念日は確立したなぁて実感があった。マスコミも読売の東都記事とかニフティも取材に来てくれてきっかけにしては十分だった気がした。
初回から100軒あったらおかしいもの。やっぱり下町の立石6店でやったローカル感が良かった。やっぱり立石の町の持っている飲み屋のポテンシャルが人をひきつけたと思う。ごちゃごちゃの町並み、調和のとれない狭い路地。個性のある飲食店が他の地域より密集して、本当に行きたくなる店が集まってする。

―― 平日の木曜日に200~300人の人が立石を飲み歩いていてビックリしましたね。全然地元の人じやなくていろんなところから人が集まってた(笑)横浜からツイッターを見て来ている人もいましたね。それと有名ブロガーが集合しましたね。

あの時はツイッターの情報発信力を感じましたね。ちょうど流行り始めでしたし、告知するにはポスター位しか思いつかなかったのが、今でこそFacebookとかLINEとかいろいろありますが、あの頃のツイッターは威力はすごかった。

―― 店側もあまりの来客に対応できなくて疲れきってた。チケット集計したら皆100名以上対応して多いところは150名越えてた。坪数の小さな店ばかりで平日の来客数が20名~30名程度なので明らかにキャパオーバー。
ちなみに僕が管理していた5坪の店は150名来店して売上は15万位だった。終わって3名のスタッフはボロボロだったのが印象に残ってますね。

これは毎年恒例になるなぁと予感はあったんだけど、まさか翌年にいきなり10エリア130店に拡大するとはその時は思いもよらなかったですよ。

―― その後に藤原さんが「南さん、ガッチリやったら面白そうだからやんなよ~。」って後押ししたからじゃないですかぁ~。

まさか、翌年スグにあれほど拡大するとは思わなかったんですよ(笑) 店舗数を20店位に増やして立石の商店街とかも巻き込んでの恒例町イベント程度のつもりでしたし、本音から言うと立石のお祭りが徐々に口コミで広がるのがいいかなぁって気持ちもあったし・・・。

この後も飲んでは語る2人のトークは次回へつづく!