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お店紹介ファイル
TOPお店紹介ファイルNo.014「西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園」
2015年4月29日、西武池袋本店の屋上、いわゆるデパートの屋上スペースがリニューアルし「食と緑の空中庭園」として生まれ変わりました。

個人的にリニューアル前からよく通っていたので「お洒落すぎて逆にソワソワ落ち着かない場所になってしまったらどうしよう…」なんて気持ちもなくはなかったのですが、実際に訪れてみてびっくり! そこには、そんな不安が一気にふっ飛ぶ、あまりにも素晴らしい空間が広がっていたのです。

以来時間を見つけてはここへ通い、リラックスタイムを満喫している僕。 今回はそんな西武池袋本店屋上「食と緑の空中庭園」の魅力を自分なりにお伝えできればと思います!
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
やって来ました
リニューアルした西武池袋屋上の空中庭園は、食も酒も充実した都会のリゾート!
この日はまず実際にお話を聞かせてもらうため、西武池袋本店にて広報を担当されている熊谷さんとここで待ち合わせ。 普段の自分とはあまり接点のないような職業の方なので必要以上に緊張していると、現れたのが笑顔の優しい女性だったので少し安心。
パリッコ「今日はよろしくお願いします。さっそくですが新しくなった屋上、緑が豊富で、色々なタイプのイスやテーブルがそこかしこに置いてあり、すごく自由な空間に生まれ変わりましたね。」
熊谷「ありがとうございます。これらはフランスやベルギーから輸入してきたファニチャーなんですよ。ただ使えればいいということではなくて、きちんとデザイン性と機能性両方を重視し、こだわって選んだものです。」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
自由度の高い空間
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
ヨーロッパのカフェのよう
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
このデッキチェアの座り心地がすごい
パリッコ「無料で入れる場所なのにこんなに快適でいいのかな? というのが素直な感想なんですが」
熊谷「もともとデパートの屋上って、いつもにぎわっていて、休みの日にはわざわざ遊びにいくようなところだったんですよね。ここにも全盛期の頃には、動物園があったり、ミニスポーツカーを走らせられるサーキットがあったりとにぎやかな場所だったんです」
パリッコ「池袋に動物園があったんですね!」
熊谷「そうなんです。それが時代とともに、遊び場もどんどん郊外に移行していってしまい、あまり活用されない場所になっていってしまったんです。ただ最近はこの近くにも大きな高層マンションが相次いでできたり、人々の生活が都市に回帰している傾向にあると思うんです。そこで、生活圏から近くて便利なこういった場所に再び活気を取り戻そうということでリニューアルを計画したのです」
パリッコ「リニューアルに際しての具体的なテーマなどはあったんですか?」
熊谷「他にない屋上にしようということで、「睡蓮の庭」を作りました。実際に現地に視察に行って、フランスの画家モネの“睡蓮の池”や絵画からインスピレーションを得てデザインされました。この屋上全体も、青いタイルが池、丸いウッドデッキは睡蓮が浮かんでいるようなイメージで設計されているんですよ」
パリッコ「確かに、どこか水辺のような雰囲気がリゾートっぽくていいんですよね。夜になるとまたいっそうムードが増して」
熊谷「この店は、昼間はお子様連れの方やシニアの方が、夜になると仕事を終えたサラリーマンやOLの方が多くなるというように、時間帯によって客層が変わるんですね。それに合わせて屋上全体の表情も全く異なるようにしています。日が暮れてからはライティングが美しい、大人の空間といったイメージになります」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
最大の見所「睡蓮の庭」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
ここが都会のデパート屋上ということを忘れる
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
全体的なテーマも水辺のイメージ
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
もはやリゾート地
パリッコ「それから、イベントなども積極的に開催されていますよね?」
熊谷「はい。例えば土日には、東京都が認定した「ヘブンアーティスト」たちによる大道芸のパフォーマンスが行われたり。子供さんがたくさん集まってにぎやかですよ。他にもこの夏はフラダンスや盆踊り、8月の5~9日までは午前中にラジオ体操が開催されます」
パリッコ「それはまたほのぼのとしていいですね~! 夏休みの小学校のような(笑)」
熊谷「参加して頂いた方にはスイカがふるまわれる予定です(笑)
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
子供が遊べる遊具も充実
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
フィッシュ(熱帯魚)ショップには釣堀も完備
パリッコ「飲食スポットに関しても、大人っぽいレストラン&バー「ラ・テラス」があったり、夏期には定番の「天空のビアテラス」が登場したり、そして気軽にテイクアウトできる「フードカート」も様々なジャンルが10店舗と充実していますね」
熊谷「フードカートではレギュラーメニューの他に毎月テーマに沿った限定メニューも提供していますので、何度来ても楽しんで頂けるのではと思います」
パリッコ「ちなみに地下の食品街、いわゆる"デパ地下"でも美味しいものが沢山売られていますが、そこで買ったものをここに持ち込んで食べるというのはありなんですか?」
熊谷「もちろん大丈夫ですよ」
パリッコ「おぉ、それはさらに楽しみが広がりますね!」
熊谷「どうぞ自由に楽しんでいって下さい」
パリッコ「 安心しました(笑) 今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!」
はい、ここで熊谷さんとはお別れし、あとはもう自由気ままに、この素晴らしき空間を堪能していこうと思います。
といってもひとりでは飲み食いできる量も限られますし、乾杯する相手がいた方がより楽しめるだろうということで、頼もしき助っ人をお呼びしました。 「サカバル」のライターでもあり、飲み友達でもあるお2人、玉置豊さんと、スズキナオさんです!
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「あ!メダカ!」無邪気な大人たち
今日はこれからこの3人で屋上飲みをしていこうと思うんですが、忙しいお2人を呼びつけてしまったのは僕。 さしあたって感謝の気持ちを何かしら形であらわしておきたいところです。

「よし、じゃあ今日は俺が奢るから、ここにあるお店のメニューから自由に選んでくれたまえ! あ、 ただしひとりにつき一杯と一品だけね!」
と、しみったれた先輩のような宣言からのスタート。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「一杯と一品って、しけてやがんな~」「まぁいつものことでしょ」
しかしながら、この一杯一品ルールがゲーム性につながり、2人の男がすぐに燃え出します。

こういうのを楽しんでくれる人たちで良かった…。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「絶対俺のチョイスが1位だったと言わせてやる!」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「魅力的な店の数々が俺を惑わせる!」
計10店舗のフードカートには、ピザやホットドッグ、軽くつまめるデリカなどをはじめ、築地の老舗寿司店「寿司清」が展開する「まる清」のカラフルなロール寿司や、ホテルオークラ自慢の洋食メニューまでが揃います。

それぞれが目移りするなか、ひとまずは僕が先陣を切ることに。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「この店にしますわ!」
すると2人も続いて、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「じゃあ俺はここ!」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「ソースはいかがなさいますか?」「……"サムライ"で」
無事全員の一杯一品が決まり、パラソルの下のテーブル席に陣取って、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「乾杯~!」
現在時刻は19時前。
日が陰りはじめたとはいえまだまだ熱気に包まれた屋外でゴクゴクゴクっと一息に流し込むビール! 最高すぎる!

このシチュエーションがビールのうまさを倍増させているのは言うまでもないですね。

さて、それではそれぞれが選んだおつまみを味わっていきましょう。
まずは僕チョイス。 
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「ミートソース本部」の「ローストビーフケバブ」(600円)
オーソドックスなミートケバブは500円でしたが、贅沢に100円増しのローストビーフを。
野菜で隠れていますが中にたっぷりと肉が詰まっており、持ち上げるとズシリと重いです。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「もういいすか? ちゃんと見ました?」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「いただきま~す!」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「うめぇ~!!!」
口中が肉汁で溢れ、絶妙なソースの酸味とキャベツの歯応えも加わり、これぞ食の喜びってやつです!
絶対ミートケバブも美味しいんだろうけど、このレアーな肉の旨味はローストビーフならでは。
思いきってこちらを選んだ自分を褒めてあげたい!
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「ほら! 肉がこんなに!」と、しつこく伝えたくなるうまさ ※食べかけ失礼
続いて玉置さんのチョイスは、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「招福門」の「焼小籠包」(4個540円)
こちらは本場青島ビールとのお得なセットで1100円でした。
「俺はちょっと小籠包にはうるさいよ!」と、常に発言が本気か嘘かわからない玉置さん。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「 さてどうかな~?」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「そんな……本場で食べたのよりうまいなんて」
最後はナオさんチョイス。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「POMMKE」の「ポムケ(S)」(490円)
こちらもビールとのセットで、値段は1000円。

"ポムケ"とはいわゆるフライドポテトのことなんですが、発祥の地であるベルギー仕込みの本格派!ディップには「マヨ」「ケチャップ」「サムライ」「ワサビマヨ」の4種類があり、ナオさんが響きだけで選んだサムライは、マヨネーズとチリソースがベースだそうです。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「どれどれ……」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「発祥の地、ここまでうまいのか~」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
サムライディップでつまみ度が加速
その後はそれぞれが選んだものをみんなで味見していったわけですが、小籠包はモチモチっとした皮から溢れ出る旨味の洪水! ポムケは外はサクサク、中はホクホクでビールとの相性が良すぎ!

さっきまでの「誰のチョイスが一番か勝負!」なんて会話を忘れるほどに全員で堪能しました。
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「こっちもたまんね~な~……」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「ナオさん、口のはじっこに食べカスついてるよ。ははは、お子様なんだから」
パリッコ「あ、言い忘れてましたけど、玉置さんもさっきから同じ場所に食べカスついてますよ」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「……はやく言ってよ」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
「屋上飲み最高!」
そうこうしていると、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
やがて日も暮れ始め
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
空には月がぽっかりと
吹き抜ける風も涼しくなり、ライトアップによって大人の雰囲気へと一変した屋上もまた素敵ですね。

さて、ではそろそろ締めにしましょう。

ここまで読んで「あの店は!? あの店は出てこないのか!」とヤキモキしていた方もいらっしゃるかもしれません。 そう、西武池袋の屋上といえば、絶対に忘れてはいけないのが「かるかや」のうどんですよね!

西武の地下で手打ちされている正真正銘のご当地うどん。 リニューアル前からどころか昭和43年から営業している、この屋上の歴史を見守ってきたうどん屋さんです。

TVドラマ化もされて大人気となった漫画「孤独のグルメ」の原作本にここをモチーフとしたお店が登場することでも有名な、根強いファンの多いお店。 かくいう僕も大好きで、西武屋上リニューアルに関する最大の懸案事項が「かるかやは残るのか?」だったのですが、こうして長く続くお店をきちんと残してくれたのは本当に嬉しいし、ありがたいことです。

偉そうな言い方になってしまいますが「西武さん、わかってる!」
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
アーバンうどん
素朴な味わいの釜揚げうどん(冷)(450円)とアーバンな空間の組み合わせが生み出すなんともいえないおかしみのある光景。

これぞ西武屋上の真骨頂じゃないでしょうか!

けっきょくあまりの居心地の良さに、ビールなどを追加し、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
どこを写真に撮っても笑えるほど絵になる屋上
で、
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
すっかり真っ暗になるまで
堪能してしまいましたとさ。

以上、僕の大好きな西武池袋本店屋上「食と緑の空中庭園」のご紹介でした。

快適で、楽しくて、自由に過ごせるから人が集まり、またそこから新しいものが生まれていく。そんなポジティブな活気に満ちた素晴らしい場所だと思います。

この週末、ひとりでボーッとしに、友達や家族とワイワイしに、是非出かけてみては!?
西武池袋本店9F屋上 食と緑の空中庭園
上から見た図(西武さん提供)
  • パリッコ

    paricco
  • DJ/トラックメイカー/漫画家/居酒屋ライター/他
    FUNKY DANCE MUSIC LABEL「LBT」代表。
    酒好きが高じ、ポータルサイト「ピコピコカルチャージャパン」で連載中のコラム「大衆酒場ベスト1000」をはじめ、居酒屋に関する記事を多数執筆中。

    http://www.lbt-web.com/paricco/