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お店紹介ファイル
TOPお店紹介ファイルNo.013 「湯あがり酒場」その2:長安ぴかいち 石神井店
住宅街の中にある銭湯に、寄り添うようにポツリと一軒、ぼんやりと赤提灯をともす居酒屋があったりしますよね。

ひとっ風呂浴びて火照った身体と乾いた喉を潤すキンキンに冷えた生ビール。
この、人生における最上の幸福をいち早くお客さんに提供したいとばかりに、いつでもジョッキを冷やして待っていてくれる。
そういうお店ってとっても"粋"だなって思うんです。
長安ぴかいち 石神井店
ほら、こういう
そんな「湯あがり酒場」に、きちんとひとっ風呂浴びてからおじゃまし、その素晴らしさをじっくり味わおうというのがこの連載です。
湯あがりから徒歩10秒。絶品の刀削麺で気分は中国西安へ!
それにしても、銭湯→居酒屋のコンボが最高に幸せな季節になってきましたね。
まだ日も落ちきってない夏の夕暮れ、でっかいお風呂で心身を極限までゆるませ、間髪入れず流し込む生ビール! これぞ幸せってやつでしょう。

今回は、僕の地元である西武池袋線、石神井公園駅からすぐの、ものすご〜く普通に普段使いしている湯あがり酒場をご紹介したいと思います。
まぁ、僕の記事ってそんなのばっかりなんですが…。

石神井公園駅の近くには、その名の通り「石神井公園」という、都内にしてはかなり豊かな自然が残る巨大な公園があります。
で、駅から公園をつなぐ商店街の中に、今回舞台となるお店があります。
長安ぴかいち 石神井店
のどかな商店街
長安ぴかいち 石神井店
本日の銭湯「豊宏湯(とよひろゆ)」さん
昔ながらのレトロな味わい満載の銭湯で、地下水をくみ上げ薪で炊くお湯にはファンも多く、わざわざ遠方からやってくる方もいるほどだそうです。
これ、こないだTVでやってたんで本当です。
「わ! 近所がTVに出てる!」ってびっくりしました。

また、ここを利用する人たちが口を揃えて言う最大の特徴がありまして、とにかくお湯が熱い!
近所によく行く角打ちがあり、常連さんたちと何気ない会話をしていて、豊宏湯の話題になると必ず「あそこは熱いよね~」「熱い熱い」「熱いですね~」という流れになります。

はじめに足をつけた時は「こりゃ無理だ!」と引っ込めてしまうんですが、それを何回か繰り返し、徐々に身体を慣らしていって、湯船にドプンと。
長安ぴかいち 石神井店
ふぅ~、極楽~
さて、湯冷め知らずの体になったらすかさず酒場に向かいましょう!
本日の湯上がり酒場は、一体どこにあるんだ!?
長安ぴかいち 石神井店
さっきの入り口を出て
長安ぴかいち 石神井店
ゆっくりと後ずさること約20歩
長安ぴかいち 石神井店
あった~!
「長安ぴかいち 石神井店」さんです。

西川口に本店があり、そして数年前にここ石神井店ができ、それから本場中国の西安にも1店。
「なぜその3箇所?」っていう不思議なチョイスで合計3店舗を展開する、西安料理の名店です。

それにしてもどうですこの見事な"湯あがり酒場"っぷり!
むしろ不自然なほどの光景ですが、これ、2枚の写真を加工して真ん中でくっつけてるわけじゃないですからね。

その証拠にちょっと角度を変えてみると……。
長安ぴかいち 石神井店
ほ~ら現実だった
銭湯を出てスタスタと10秒ほど歩き、クルっとUターンするともう店内という素晴らしいシチュエーション。
長安ぴかいち 石神井店
店内
この季節は入り口も窓も豪快に開け放たれており、通り抜ける風が気持ち良いことこの上ありません。

ではさっそく! 何はともあれ!
長安ぴかいち 石神井店
生ビール(390円)
火照った体に一気に流し込みます。
う、うますぎる~!

……ふぅ、一息ついたらあらためてメニューを検討していきましょう。
まずは全て300円代で20種類が揃う「前菜・おつまみ」のコーナーから、大好物で選んでしまう率の高い「黒豚冷や奴」(320円)を頼もうかな。
それから「大叶牛肉焼餃子」(390円)。
ここの餃子、うまいんですよね~。
ビールに合わない道理がないし。

あれ? ちょっと待てよ、この組み合わせと生ビールって、壁に貼ってある「特別生ビールセット(A)」(980円)と全く同じだ。
というわけで店員さんに「さっきの生ビールとこれとこれで、セットということになりますか?」と伺うと「大丈夫ですよ」と。
うお〜なんてこった! 普通に頼もうとしていた1,100円分のお料理たちが、120円もお得に頂けてしまった~!
こんな幸せ、あっていいんでしょうか?
長安ぴかいち 石神井店
黒豚冷や奴
酸味とピリ辛が絶妙なタレに、豚肉が旨味をブーストする冷奴。
僕の好きな物が詰まった夢のメニューです。
長安ぴかいち 石神井店
大叶牛肉焼餃子
羽が付きすぎてもはや餃子には見えないですね!
長安ぴかいち 石神井店
箸で割って小皿へ
ジューシーな餡、モチッとした皮、そしてパリパリの羽の食感が極上のハーモニーを奏でます。
長安ぴかいち 石神井店
お好みで卓上の自家製「麻辛醤」をたらしてもうまいに決まってますよ。
ちなみにここはもう一種類、オーソドックスな「焼餃子」もあるんですが、メニューに"びっくりジャンボ"と書いてあるくらいで、本当にでっかくて食べ応えがあって最高です。 その日の気分でどうぞ。
長安ぴかいち 石神井店
お次はレモンサワー(360円)
これまた爽やかで、まだまだ全身がぽーっとしている風呂あがりには最高ですよね。

さて、普段ならここらでご飯系の締めに移行するところですが、今日は夫婦2人で来たこともあり、もうちょっと何かつまめそうだし、つまみたい。
中華料理屋らしい膨大な量のメニュー表をペラペラと眺めてみます。
こういう誤字もまた中華屋さんの定番。
なんか可愛いんですよね。
聞いたことのない部位だ。 
なんかこわい!
ていうかさっきはちゃんとゴーヤって書けてたのに!
そんな中選んでみたのは、
「古長安のラム肉と春雨野菜の辛味煮込み」(860円)

ラム肉も大好物だし、"初発売"という斬新なフレーズにもグッとくるものがありました。
一瞬「あれ? なんかメニューの写真と違う?」と思いますが、器がでっかい上にスープが多すぎるだけで、
そんなに辛すぎず、ラム肉や野菜だけでなく、それらの旨味が溶け出したスープも絶品でしたね~。
飲み物も総じてリーズナブルなんですが、特に「緑茶ハイ」と「ウーロンハイ」は破格の290円!
ありがたすぎます。

さて、そろそろ締めの一品を頂くことにしましょう。
西安料理といえば特に有名なのが、素材となる小麦粉の塊を独特の器具でシャッシャッと削って作る「刀削麺」ですよね。
ここ「長安ぴかいち」でも刀削麺は名物メニューで、これがまたうまいんです。
しかも、夏期限定で「冷やし」もあり、今日このシチュエーションで頼まないわけにはいかない!

「ひんやり茄子のマーラー刀削麺」「バンバンジーのせ冷やし刀削麺」各880円の2種類から、ナスの方を選択。

料理長さんが即座に麺を削り出しますが、動きが素早すぎて写真に収めることができません。
長安ぴかいち 石神井店
ピッピッピッと大鍋に吸い込まれていく麺たち
その華麗な技は、是非みなさんの目で確かめてみてくださいね。
長安ぴかいち 石神井店
刀削麺到着!
ご覧下さいこの透明感のある麺! そしてナス!

同じ値段ならつい肉っけのある「バンバンジーのせ」の方を頼んでしまいそうなもんですが、色々と食べてみた結果、僕はこの「ひんやり茄子」こそがぴかいち至高の刀削麺であると確信するに至りました。 ※個人の見解です
長安ぴかいち 石神井店
美しい……
1本1本手で削るからこその、ピロピロっとした麺。
のどごしはなめらかで、モチモチとプリプリが同居した食感が官能的です。

丁寧に皮を剥かれたナスがこれまた、まった〜りとやさしい味わいで、麺と絡み合うと素晴らしくうまいんですよね!


いや~あらためて、風呂あがりにビールとうまい中華料理をつまみ、絶品の冷たい麺で締められるとは、長安ぴかいちさん、ありがたすぎます! 地元にできてくれてありがとう!

今日もごちそうさまでした!
長安ぴかいち 石神井店
最後にお店のお姉さんと記念写真
  • パリッコ

    paricco
  • DJ/トラックメイカー/漫画家/居酒屋ライター/他
    FUNKY DANCE MUSIC LABEL「LBT」代表。
    酒好きが高じ、ポータルサイト「ピコピコカルチャージャパン」で連載中のコラム「大衆酒場ベスト1000」をはじめ、居酒屋に関する記事を多数執筆中。

    http://www.lbt-web.com/paricco/